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link 読者コメント 読者コメント (2017/12/15 2:00:03)

feed [抗体よもやま話 読者コメント:ご感想・意見交換] Re: 一本鎖抗体は是か非か (2015/12/7 16:00:22)
実験をされているかたからのコメントは本当に貴重です。ありがとうございます。私は scFv をとことんやっていないので良さも欠点についても知らないことばかりですが、いろいろと問題点があるわけですね。それから本来の抗体により近い Fab ライブラリーは魅力的です。これらのコンパクト抗体は一価なので抗原とのアフィニティーが低くスクリーニングで苦労するとのことですが、抗原濃度を高めるとなんとかなるような気もします。例えば、ファージディスプレイを利用すると合成ペプチドを使ったときと比べて格段に結合が見えてきます。 一本鎖抗体や Fab ライブラリーをはじめとする in vitro での抗体作成の魅力は、一見手間がかからないことと免疫動物の力を借りないのでブラックボックスが存在しないわかりやすさなのかもしれません。一度ライブラリーを作ってしまえば色々な抗体に活用できるという意識は、かつての 分子生物学領域での cDNA ライブラリーの発想でしょうか。私も苦労して作った質の良い cDNA ライブラリーから次々とクローンを単離できた覚えがあります。しかし、抗体産生については、私たちがまだこれから学ぶべき仕組みがあるはずです。モノクローナル抗体は、良い抗体が取れてしまえば途中のことは重視されません。せいぜい、スクリーニングをどうやったかなど私たちが把握できている実験過程を振り返るくらいです。動物内での抗体分子の設計がどうなっているかは、 基礎研究レベルで追求してほしいものです。 引用: atsushi_takayanagiさんは書きました: 大海先生、毎回楽しく読ませて頂いております。自前でライブラリーを作製しscFvを使っている者です。 scFvの使い勝手が悪い点で、ざっと思いつくのは(1)scFvの検出に通常tag抗体が必要で手間が増えること、(2)scFvタンパク自体を調製する手間がそれなりに必要なこと、(3)親和性がほどほどな物が多く多価にしない限り抗原の検出感度が低いこと、(4)Fab,IgG型に変換すると親和性が落ちるVH/VL遺伝子があること(その場合scFv-Fcという手もあります)、でしょうか。逆にmAbのVH,VL遺伝子を利用してscFvに変換すると親和性が低下する場合が多いのでこちらも注意が必要です。 なお、高親和性抗体を取るためには、ライブラリーの質(レパートリー数も含む)の向上・スクリーニング法の工夫が必要だと経験上思います。 総じて、scFvはin vitroで抗体スクリーニングするメリットを生かさないと手間がかかる代物だと思います。 なお、自前でライブラリーを作ろうと考えている方には(4)のことを考慮してscFvではなくFabライブラリーを私はお薦めします。もっともFabよりscFvの方が一般的に収量が多いこと、改変が容易なことなどもありますので使用目的により選択すべきでしょう。
実験をされているかたからのコメントは本当に貴重です。ありがとうございます。私は scFv をとことんやっていないので良さも欠点についても知らないことばかりですが、いろいろと問題点があるわけですね。それから本来の抗体により近い Fab ライブラリーは魅力的です。これらのコンパクト抗体は一価なので抗原とのアフィニティーが低くスクリーニングで苦労するとのことですが、抗原濃度を高めるとなんとかなるような気もします。例えば、ファージディスプレイを利用すると合成ペプチドを使ったときと比べて格段に結合が見えてきます。

一本鎖抗体や Fab ライブラリーをはじめとする in vitro での抗体作成の魅力は、一見手間がかからないことと免疫動物の力を借りないのでブラックボックスが存在しないわかりやすさなのかもしれません。一度ライブラリーを作ってしまえば色々な抗体に活用できるという意識は、かつての 分子生物学領域での cDNA ライブラリーの発想でしょうか。私も苦労して作った質の良い cDNA ライブラリーから次々とクローンを単離できた覚えがあります。しかし、抗体産生については、私たちがまだこれから学ぶべき仕組みがあるはずです。モノクローナル抗体は、良い抗体が取れてしまえば途中のことは重視されません。せいぜい、スクリーニングをどうやったかなど私たちが把握できている実験過程を振り返るくらいです。動物内での抗体分子の設計がどうなっているかは、 基礎研究レベルで追求してほしいものです。

引用:

atsushi_takayanagiさんは書きました:
大海先生、毎回楽しく読ませて頂いております。自前でライブラリーを作製しscFvを使っている者です。
scFvの使い勝手が悪い点で、ざっと思いつくのは(1)scFvの検出に通常tag抗体が必要で手間が増えること、(2)scFvタンパク自体を調製する手間がそれなりに必要なこと、(3)親和性がほどほどな物が多く多価にしない限り抗原の検出感度が低いこと、(4)Fab,IgG型に変換すると親和性が落ちるVH/VL遺伝子があること(その場合scFv-Fcという手もあります)、でしょうか。逆にmAbのVH,VL遺伝子を利用してscFvに変換すると親和性が低下する場合が多いのでこちらも注意が必要です。
なお、高親和性抗体を取るためには、ライブラリーの質(レパートリー数も含む)の向上・スクリーニング法の工夫が必要だと経験上思います。
総じて、scFvはin vitroで抗体スクリーニングするメリットを生かさないと手間がかかる代物だと思います。
なお、自前でライブラリーを作ろうと考えている方には(4)のことを考慮してscFvではなくFabライブラリーを私はお薦めします。もっともFabよりscFvの方が一般的に収量が多いこと、改変が容易なことなどもありますので使用目的により選択すべきでしょう。

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