抗体書籍の著者による抗体基礎知識 「抗体ロボティクス」 - 抗体よもやま話

抗体ロボティクス


トップ  >  抗体ロボティクス

  著者:  作成:2017/2/8 9:00:32

大海 忍私がまだ在職中、遠心機メーカーで技術を担当されていたかたが来られて、退職してロボットを受託して作る仕事をはじめたとのこと、そのときは漠然と「個別作業に特化した自動装置なんだ。それは良いな」と思ったものですが、いま改めて考えると、スモールビジネスとしては素晴らしいことと感心します。

いまはどうされているでしょうか。バイオ研究の世界にも実験スタイルに変遷があります。


プロテオミクスが流行る前に、二次元電気泳動でジャイアントゲルというのがありました。一次元目の等電点電気泳動を長いキャピラリーで分離し二次元目も大きなサイズの SDS-PAGE で分離能を稼いでおき、大目のサンプルをのせれば、より高い分解能で今まで見えなかった微量たんぱく質も検出できるという目論見だったようです。 私がいたラボにも二次元電気泳動解析装置の付属品として入りました。


スラブゲルの面積で比較すると、当時私が使っていた通常サイズのゲルの数倍はありました。染色・脱色用のバットやシェーカーは大きいものを揃えてはみたものの、これだけ大きなゲルを何枚も並べて実験するスペース確保は厳しかったです。


結局、まともに使うこ...

 

続きを読む
ログインしてください
    この記事が役に立つたらぜひシェアしてください!
    このエントリーをはてなブックマークに追加

    友達にメールで勧める友達に伝える

    投票数:4平均点:7.50

    おすすめ製品・サービス

    抗体トランスフェクション試薬 Ab-Carrier
    抗体トランスフェクション試薬Ab-Carrierは、生細胞内への抗体導入試薬です。 プロテノバが独自に開発した膜透過性人工ペプチドの機能により、細胞毒性を抑制しつつ簡単に効率良く抗体を導入できます。 Ab-Carrierは、高い膜透過活性とIgG 結合活性を有するので、非常に効率よく種々の動物種やサブクラスのIgGを生細胞に導入できます。
    Ab-Capcher 抗体精製アフィニティ磁気ビーズ
    大容量の抗体精製に使用できる優れた結合能 Ab-Capcher 抗体精製アフィニティ磁気ビーズは、特許の高結合・アルカリ耐性 rProtein A 誘導体を結合したアフィニティ磁気ビーズです。 従来製品の約5倍の結合能とアルカリ洗浄による再使用ができるため、従来のアフィニティ磁気ビーズでは困難だった多量の抗体精製を簡便に行うことができます。 ラット・マウスをはじめ幅広い生物種の抗体精製にご利用いただけます。
    高吸着能ゲルを充填したReady to useの抗体精製カラムキット Ab-Express
    高吸着能ゲルを充填したReady to useの使い捨て抗体精製カラム&バッファーキット。 低価格・簡単・スピーディー。 ラット・マウス・ウサギ等、様々な抗体精製にお薦めします。
    • 自己紹介
      はじめまして、 大海 忍 (おおうみしのぶ)です。 抗体 にかかわる話題を提供することになりました。 私がはじめて 抗体 を意識したのは1970年代後半で大学院生の頃です。研究テーマの対象が原…続きを読む (2015-7-14)  
    • 素朴な疑問
      抗体 って教科書や辞典で調べると例外なく、外来抗原に対して産生される抗原結合たんぱく質というように説明があります。それでは、血液中に存在する 抗体 = 免疫グロブリン は何に結合するのでしょうか。…続きを読む (2015-7-17)  
    • 一本鎖抗体は是か非か
      分子生物学的技法をもっていて様々な 抗体 をつくりたいと思うとどうしてもここへ行き着くようです。 一本鎖抗体 ( scFv , single chain Fv )は、抗原との結合に必要な 抗体遺伝…続きを読む (2015-7-27)  
    • モノクローナル抗体の特長について
      モノクローナル抗体 の作成技術は、 Köhler と Milstein によって1975年に報告された画期的方法です。 抗体産生細胞 である Bリンパ球 を腫瘍細胞と融合させて 不死化 するこ…続きを読む (2015-8-3)  
    • 抗ペプチド抗体について
      たんぱく質に対する 抗体 を作るときは、免疫原としてそのたんぱく質が必要です。以前は、たんぱく質を精製・純化しましたが、遺伝子が単離されているときはリコンビナントたんぱく質を用いることが多くなりました…続きを読む (2015-8-10)  
    • 抗体の実験操作、温度設定は?
      今夏2015の暑さは異常と言ってもいいほどで外を歩くのが怖かったですね。猛暑日にエンジニアが駆け込む場所はサーバールームという記事を見て大学在職時の実験室を思い出しました。 大きなフロアには低温室があ…続きを読む (2015-8-17)  
    • 「固定」ということば
       実験操作の「 固定 」についてです。「 固定 ( fixation )」はもともと、顕微鏡観察用の標本を作成する際に形態を保持するために加熱、凍結、薬品などで処理することをいいます。この過程でたんぱ…続きを読む (2015-8-24)  
    • 良い抗体
      研究論文に記載されている 抗体 は良い 抗体 だと思いますか?  なぜこんな質問をしたかというと、手持ちの 抗体 を売ってもらう場合、論文を引用できることが必須条件だそうです。 もちろん、発表論文…続きを読む (2015-8-31)  
    • 抗体のパクリはありうるか
      このごろ商標デザインをはじめ各分野での盗用を耳にします。少し前には研究のスキャンダルが一般社会へ漏れ出て大騒ぎになりましたね。 ここでは、 抗体 は知的財産として確立するか、いいかえれば 抗体 を盗…続きを読む (2015-9-7)  
    • イムノブロットのバンドを質量分析計で同定したい
       標的とする抗原が未同定の モノクローナル抗体 をもっている研究者から以下のような相談がありました。 「がん細胞に高発現している抗原に対する モノクローナル抗体 をもっています。がん細胞の全たんぱく質…続きを読む (2015-9-24)  
    • CD 抗原 
      細胞を扱って実験されたことがあるかたは CD 抗原 になじみがおありかもしれません。 CD は cluster of differentiation のことで、白血球の細胞表面抗原を「CD」の…続きを読む (2015-10-1)  
    • 阻害剤の抗体で副作用追跡を
      2015年の ノーベル生理学・医学賞 は皆さんにとってサプライズでしたか。 私はこういう評価も当然ありと考えます。前評判が高いトレンディな研究よりも、地道に長年かけて積み上げた研究成果は、いずれは…続きを読む (2015-10-14)  
    • 膜貫通たんぱく質に対する抗体づくり
      細胞の 形質膜 を一回だけ 貫通 して細胞表面に表現されるたんぱく質に対する 抗体 を考えてみましょう。 がん細胞などでこのようなたんぱく質が特異的に発現していると、良い 腫瘍マーカー になることが期…続きを読む (2015-11-11)  
    • エピトープマッピング
      大きなたんぱく質に対して モノクローナル抗体 を作成したときは、その 抗体 が 抗原 のどの部分に結合するかを知りたいものです。 抗体 が結合する 抗原 の部分構造を 抗原決定基 あるいは エピトープ…続きを読む (2015-12-16)  
    • ポリクローナル抗体のエピトープ解析
      ポリクローナル抗体 は、幾つもの モノクローナル抗体 が混ぜ合わさったものですから、わざわざ エピトープマッピング をする意味がありません。 しかし、抗血清をあえて エピトープ解析 すると面白い結…続きを読む (2016-1-18)  
    • たんぱく質の骨
      通勤や仕事で外出する際にはカバンをお持ちになることが多いかと思います。 好みにも依りますが、ゆったりした大きめのカバンで中身が少ないときは自立しなくてヘナヘナと倒れてしまうことがありますね。そういうと…続きを読む (2016-2-3)  
    • ELISA だけに頼ると失敗するかも
      新しく 抗体 を作るときに、目的の 抗体 ができているか見極める評価法をどのようにされますか。 一般的には、 免疫原 として利用した 抗原 とは異なった材料を評価に用いるのがよろしいです。例えば、ペプ…続きを読む (2016-3-7)  
    • ELISAの定量性について
      私が 酵素抗体法 ( ELISA , Enzyme-Linked Immunosorbent Assay ) と出会ったのは大学院博士課程に在学していた1970年代後半の頃でした。 本郷キャンパ…続きを読む (2016-3-8)  
    • 低分子物質の抗体をつくるときは
      抗原性 はあるが 免疫原性 をもたない低分子物質を ハプテン といいます。なるべく多くの人に読んでもらいたい文章を書こうとするとき、このような導入法は NG ですね。冒頭の一文にある専門用語のうち一…続きを読む (2016-4-11)  
    • 抗 DNP 抗体の活用法
      皆さんタグの抗体は実験でお使いかもしれません。 His タグ 、 FRAG タグ など、タグの配列を組換えたんぱく質に入れ込んでおくと、遺伝子導入したたんぱく質を 抗体 で高感度に検出できるという便利…続きを読む (2016-5-11)  
    •   »  抗体ロボティクス(2017-2-8)

    • イムノブロットあれこれ、その 2. サンプル調製と保存、いかに抗原性を保つか
       生体サンプルを SDS ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にかけて膜に転写し、抗体で解析することは多々あると思います。このイムノブロット法は、抗体を活用するための基本的方法のひとつで…続きを読む (2017-5-24)  
    • 生きている樹木ってすごいよ。
       曽て在職中に駒場キャンパスにある大学院を兼担していたことがありました。文系と理系が融合した総合文化研究科という大学院で、その中に生命環境科学系というグループがありました。植物を対象に研究されている先…続きを読む (2017-7-11)  
    • リン酸化部位特異抗体はやや難しい
      たんぱく質のリン酸化は、数ある翻訳後修飾の中でも可逆的な反応の一つで、細胞内外の環境に呼応して起こるので、生体の情報伝達に関わる現象として研究されてきました。リン酸化されるアミノ酸残基は、主としてセ…続きを読む (2017-10-31)  

    おすすめ製品・サービス

    CELLDATA RNAstorm FFPE RNA抽出キット
    FFPEサンプルからの高品質・高収量核酸回収フォルムアルデヒドの使用により、核酸は高領域に渡って化学修飾が生じ ます。現状の手法では、その様なFFPEサンプルからの核酸回収には高温 での処理が行われるため、その結果、核酸の分解を促進し、十分な回収結 果が得られません。 。一方、CellData Sciences社は特許のCAT5TM技術に より、より低温で温和な条件で科学的に修飾を取り除き、その結果、高収率 で高品質の核酸が得られます。 フォルマリン固定組織 ( FFPE )サンプルからの高純度DNA及びRNA抽出は 非常に困難で、その結果、回収後の増幅収率が低くなり、各解析データの 結果の質も悪くなります。 これは、フォルムアルデヒドによる対象DNA・RNA への付加や架橋反応が起因しています。従来からの回収手段は高温処理 の為に、加水分解 ...
    VOICE200Ultra マルチ反応リアルタイム質量分析計SIFT-MS
    高湿度下でも代謝関連揮発性物質を選択的にpptレベルで前処理せずにリアルタイム定量分析できます。医学研究における強力なツールとなります
    ラット・マウス等、幅広い生物種の抗体精製に。Ab-Capcher
    Ab-Capcherは、従来の抗体精製プロテインAゲルでは限定された適応抗体生物種やプロテインGゲルの結合量の低さと言った問題点を一挙に解決した高性能プロテインA アガロースビーズ(ゲルカラム担体)です。 特にこれまで研究者のご不満の多かったラットやマウスのモノクローナル抗体も簡単・高純度に精製できます。
    運営会社:バイオアソシエイツ株式会社

    バイオマーケットjpは、ライフサイエンス研究者・バイオビジネス関係者のための会員制サイトです。

    ユーザー登録すると...

    コンテンツの全文表示・コメント投稿・各種お申し込み・ダウンロード等、

    様々なユーザー専用機能をご利用いただくことができます。

     

    ユーザー登録は1分で完了

    ユーザー登録は無料

    運営者:バイオアソシエイツ株式会社

    抗体よもやま話
    • 大海 忍
      元・東京大学医科学研究所 疾患プロテオミクスラボラトリ 准教授 大海 忍 先生による抗体入門講座です。抗体に関する様々な話題や抗体実験で注意すべき点などを分かりやすくご紹介します。

    にほんブログ村 科学ブログ 生命科学へ
      登録ユーザー数
      2855人
      2017年11月23日 現在
      46 人のユーザが現在オンラインです。 (1 人のユーザが 抗体よもやま話 を参照しています。)
      登録ユーザ: 0 ゲスト: 46
      BioQuick ニュース

      BioQuick Newsは、サイエンスライターとして30年以上の豊富な経験があるマイケルD. オニールによって発行されている独立系科学ニュースメディアです。世界中の生命科学関連のニュース・トピックスをタイムリーにお届けします。BioQuick Newsは、現在160カ国以上に読者がおり、2010年から6年連続で米国APEX Award for Publication Excellenceを受賞しました。
      BioQuick is a trademark of Michael D. O'Neill.

      質量分析屋のネタ帳
      創薬よ何処へ
      アクセスカウンター
      DATEVisits/PVs
      2017/11/23:466/4054
      2017/11/22:898/20115

       

      クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
      バイオマーケットjpのコンテンツは クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。引用される場合は出典元リンクの記載をお願いします。